

友だちと恋愛、どっちが大事?
「恋愛」は子どもたちの日常において関心の高い話題であり、人間関係に大きな影響を及ぼす可能性があるものです。特に中学校以降では、恋愛にまつわるトラブルがきっかけとなって人間関係が崩れ、深刻な問題に発展することもあるでしょう。授業の中で恋愛が表立って取り上げられることは少ないかもしれませんが、人間関係の難しさに悩んだり、戸惑ったりしている生徒はいるはずです。
本教材では、仲良し3人組の1人・アユがある男子と「付き合っている」と告白したことにより、3人の関係に不穏な空気が流れ始める様子が描かれます。こうしたトピックを取り上げることで、この時期特有の人間関係の難しさや、人がもちうるもやもやした気持ちを客観的に捉える力を育むことをねらいとしています。教材の中のすれ違いは「いじめ」とまでは言えないのかもしれませんが、「いじめの芽」ならぬ「いじめの種」にアプローチする教育も重要です。
また、本教材では2人のあいだのメッセージをスクショに撮って、もう1人に送るというやりとりも描かれます。情報モラル教育とも関連した教材として活用することも可能です。



千葉大学教育学部附属中学校との共同開発について
本教材は千葉大学教育学部附属中学校と共同で、教材を開発しました。道徳などの授業では扱われる機会が少ない一方で、日常生活では起こりやすいテーマだからこそ、児童生徒がリアルに感じられる場面設定を用いることで、より深い学びが生まれることを期待しています。
仲間とよりよい関係を築くためには?
道徳:相互理解、寛容
中井 康平 先生
千葉大学教育学部
附属中学校教諭
ねらい
教材「友だちと恋愛、どっちが大事?」の登場人物の立場や気持ちを考え、問題の所在や望ましい行動について考える活動を通して、他者とよりよい関係を築こうとする道徳的実践意欲を育てる。
生徒は動画を見ながら「あるある」といった反応をしていました。恋愛を切り口に友だちとの関係づくりについて考える教材でしたが、このテーマは生徒に非常に身近に感じられたようです。一方、カエデが悪口のメッセージを送る場面やミユキがスクショをアユに送る場面は、3人の関係が揺らいでいくところであり、それを真剣な表情で見ていた生徒の姿が特に印象的でした。
動画ではどのようなことが問題になっているのか、そして3人がそれぞれどう行動すればよかったのかを生徒たちが考え、議論しました。3人の日頃の関係性やSNSの使い方について問題点があると捉える生徒が多い一方、3人がどうすべきだったかについては多様な意見が見られました。実際の人間関係づくりにおいても、それぞれの考えが異なったり、それがうまく伝わらなかったりすることでトラブルが起きてしまうことを生徒はよく理解し、自分のこととして考えることができていたと感じました。
















































